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肌に感じる冷たく突き刺さるような風。
目の前には、真っ暗な闇と、ただ小さく見える光。
知らない場所の筈なのに、来たことがあるような感覚。
辺りを見回して、不意に出てきた言葉。
『また、闇が酷くなってる…』
「えっ!?」
無意識に出た言葉に驚いて、パッと口元に手を寄せた。
「い、今華乃が言った…んだよね?」
「ああ、そうだ」
「わっ!!」
先程までいなかった筈の銀が、いつの間にか来ていて喋る為、再び驚く華乃。
そんな華乃を見て、いつもならニッと笑う銀だが、ただ悲しげに苦笑いを浮かべただけだった。
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