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「実は先生も遅刻して会議に出れなかったのよねぇー」 眉を下げてふふっと笑っている中井を見れば、怒る気配は全くない。 「なんだー。先生も遅刻っすか、仲間仲間~!」 中井の言葉に調子に乗った金子は、中井の肩に腕を回しケラケラ笑っている。 予想外の展開にクラス中がポカンと口を開けていたが、何事もなかったことに安心したのかホッと安堵の息を吐いている。 しかしそれも束の間。 数秒後には教科書で机を思い切り叩く音と、金子の「うぎゃぁっはぁいぃ!!!」という不思議な叫び声に学校全体が包まれた。 つまり、このクラス…いや、この学校は遅刻1つでここまで行く、ということだ。 こんな学校でいいのかというツッコミは、敢えてしないでおこう。 けれどそれなのに誰も反応しないということは、受験勉強に集中し始めたということだろうか。 だがしかしそれは早すぎではないか。 いろんな考えを頭の中で巡らせれば授業に集中出来るはずもなく、華乃は1人窓の外をぼんやりとした目で見ているだけだった。
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