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2時間目の授業が終わっても、お昼の時間になっても誰にも声をかけられることはなかった。 シカト…いじめという単語が一瞬頭をよぎったが、いじめをするクラスでもなく、みんないいこだった。 なら、どうして。 いきなり態度が変わった原因。 昨日までは普通だったはず。 じゃあ、昨日何をしただろう。 必死で思い出してみるものの、霧がかかったようにぼんやりとして、何も思い出せない。 それどころか、思い出せと強く願うたび頭に小さな痛みが走る。 みんなもおかしいと思ったけれど、自分も変だと感じ始める。 何か変な病気になってしまったのだろうか。 朝から疑問が多い。 しかしどれも答えは出ず、解決出来ないでいた。 学校が終わった華乃は、時折深いため息を吐きながら帰り道をとぼとぼと歩いていた。 もちろん朝と同じでどこを見ても左右は逆のままで。
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