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「ただいま…」 家に帰ると誰もいないようで、時計の音だけが虚しく響いていた。 けれどこれはいつものことで、誰かと一緒にいる方が珍しかった。 こんな時ぐらい誰かいてほしかったのに。 そう思うものの、両親は共働きで夜中までは帰らない。 姉は数年前に一人暮らしを始めて、月に何度か帰ってくる程度だ。 いたらいたでまた面倒だな、と苦笑いを浮かべた華乃は、自分の部屋がある2階に上がろうと階段へと足を進めた。 しかしその足は、階段の奥にあるドアを見付けたことで止まってしまった。 「この部屋…なんだっけ?」 自分の家なのにわからない部屋があるとは…。
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