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「…っ、…ケホッ…」
今まで苦しげな表情は見せなかった彼女だったが、流石に耐えられなくなったのか、一つ咳をした後眉間にシワを寄せた。
途端に先程の悲しげな瞳は消え、どこか遠くを見つめる。
「…はぁー…、ホントはもっと殺すはずだったのにさぁ…」
独り言なのか華乃に言ったのか、どちら共取れそうな声で呟いた。
「…どうして?」
「…っあんたさぁ!さっきからなんでどうしてってうるさいんだよ!」
突然怒鳴られた華乃は、ビクッと体を揺らす。
少々怯えた表情になる華乃だが、彼女はそれ以上は何も言わず、膝を抱えて座り込んだ。
それを見た華乃は、柱に掴まってやっとの状態だったが、ゆっくりとその場に座った。
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