エピローグ

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係員の男は女性に気付くと、赤い目を見開き、全速力で走り出して来た。 女性はハッとなり、急いで車の中に乗り込む。 エンジンを掛け、前を見上げると、恐ろしい姿の係員が車のフロントに飛び乗ってきた。 係員がガンガンとフロントガラスを叩き、次に大きく拳を上げて勢いよく振り下ろすと、フロントガラスにヒビが入った。 女性は驚きながらもアクセスを強く踏み込んだ。 車のフロントに乗っていた係員は車の発進した勢いで転げ落ちたが、すぐに立ち上がり猛ダッシュで車を追い掛けてくる。 女性はグングンスピードを上げながら地上の道路へ出て係員を振り切った。 道路に出ると、まだ陽は登っていなかったが、そこには見慣れた光景は無く、所々で車同士の衝突事故があり、火災が上がっていた。 (私が気を失ってる間に状況は確実に悪化してる……) 女性はそう感じながら宛もなく車を走らせるのであった。
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