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『私の名前は、柏木 沙恵です。市内の病院で看護師をしてます。』
「そっか、サエ…ねぇ…」
沙恵からの返答に対し、直樹は少し黙った。
『あの…私を助けてくれたのってアナタですよね?その…本当にありがとうございました。』
「ああ…別に良いよ。俺も逃げてる途中だったし、君は噛まれた様子も無かったからね。」
『…噛まれる?』
女性の疑問に対し、直樹は窓に指をさして、沙恵に見てみるよう合図した。
沙恵はブラインドを少し開け、外の様子を覗いた。
すると外にはちらほらと、自分を襲ったのと同じ化け物が街を歩いていた。
「あれはゾンビ。筋力や凶暴性が増しているけど、理性は全く無い。新鮮な人間の肉を求める。そして…あいつらに噛まれてしばらくすると、感染してヤツらの仲間入りさ。」
直樹は言った。
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