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直樹が到着した現場には、確かに軍人がいて、銃を撃って交戦している。
しかし相手はゾンビでは無く、軍人は何故か上空へ向かって銃を乱射していたのである。
直樹が上空を見上げると、全長1メートル程度の鳥とも言えない化け物。
かつて直樹も見たことがあるキメラと言う合成獣に近い存在が群で飛行し、軍隊を襲っていた。
キメラも銃弾が命中し、ある程度は地面に撃ち落とされていたが、それに反比例して軍人の頭の無い死体が地面に転がっている。
「思ったよりヤッバい状況に出くわしちゃったな…」
直樹は唖然としながらそう言った。
上空を漂うキメラは直樹達の存在にも気付き、急降下して襲いかかってくる。
「頭を低くして!」
直樹は沙恵にそう指示を出した。
直樹はバットを握り締め、後方から自分目掛けて襲い掛かってくるキメラの攻撃を、体を反転させる事で回避した。
そしてそのままキメラが上空へ舞い上がる隙を与えず、直樹は力いっぱいバットを振り下ろした。
振り下ろしたバットはキメラの頭を捉え、そのまま地面に打ち付け脳天を砕いた。
『スッゴい…』
頭に手を被せ、身を低くしていた沙恵は、直樹を見ながら呟いた。
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