168人が本棚に入れています
本棚に追加
直樹の話しを聞いた男は辺りを見渡すと、確かにキメラが全滅していた事に気付いた。
だが他の仲間の軍人も全滅している事に気付くと、男は酷く落胆した。
「くそぅ!!みんなヤツらと相討ちになったのかよ!」
男はずっと地面にうずくまり震えていた為、一連の流れを把握してなかったようだ。
「いや、あの化け物を片付けたのはオレなんだけど…」
直樹は言う。
「あん?何言ってんだ?貴様のようなヤツが軍隊でも適わない化け物を倒せるはずないだろう!」
男は立ち上がり、直樹を睨み付けながら言った。
化け物がいなくなってホッとしたのか、男は急に強気な態度になっていた。
直樹は溜め息をつきながら少し呆れ、男に言った。
「じゃあ俺達は一般市民だ。どこか安全な場所に案内してくれないかな?軍人さん」
「おぉ、そうだな。10km先に作戦本部がある。そこに各隊が救出してきた一般市民もいるはずだ。ジープに戻って送り届けよう。」
男は見た目が若く、直樹よりも年下な感じがした。
お調子者で生意気な点もあるが、きちんと軍人としての責任感はあるようだ。
「俺はコウだ。」
「こうだ?」
「名前だよ。」
「あぁ、コウくんね。」
直樹は沙恵と共にコウについて行く事にした。
最初のコメントを投稿しよう!