エピローグ

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11号室は個室になっており、部屋の中は広く快適な造りになっている。 薄暗い居室内を進み、患者が寝ているベッドに近付くと、そこで女性は驚いた。 ベッドの上に患者はおらず、枕元には血がベッタリと付いていたのだ。 女性は辺りを見渡すが、患者の姿は無い。 だがベッドの奥の方で何か物音がする事に気付いた。 女性は恐る恐る音のするほうへ近付いて行った。 そこで彼女はとんでも無い光景を目の当たりにする。 患者服を来た男が、夜勤ナースの喉元を噛みちぎっていたのだ。 女性は大きく目を見開き、驚いた衝撃で鞄を床に落とした。 ナースの喉元に噛み付いていた男は顔を上げ、女性と目があった。 男の顔は青白く、口元は血まみれで、獣のような牙と鋭い爪、そして赤く光る眼光が薄暗いライトに照らし出された。 次の瞬間、男は女性に襲いかかった。
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