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女性は反射的に後ろに下がったが、足がおぼつかず、自分で落とした鞄に足を引っ掛け、すぐに尻餅をついた。
だが男の手が彼女にかかる瞬間、女性は鞄を掴み、振り回した。
それが見事に男の顔面をあたり、男は少し後ろに下がった。
すぐに女性は立ち上がったが、怯んだ男もすぐにまた襲い掛かってくる。
彼女は居室の中にある患者用のトイレの中に駆け込み、扉を閉めて鍵を掛けた。
男が扉をガンガンと叩く音が聞こえる。
女性は泣きそうになりながら鞄の中から携帯電話を取りだそうとしたが、先程鞄につまづいた際、中の物が散らばり携帯を床に落としてしまった事に気付いた。
このまま外に出るわけにもいかず、女性は辺りを見渡した。
特に使えそうな物がある訳じゃ無かったが、脱出口としてトイレの中の小さい小窓を見つけた。
自分ならギリギリで通って外へ出れそうだ。
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