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  「拾ったんだよ。堕天に失敗した天族のをね。」 本来ならば魔界と接している 最下層“禁域” 境界区と呼ばれる場に 敷かれた結界により 聖界へ侵入する事が 出来ない筈の魔族。 それが第3階層まで 侵入できたのは 体が天族のモノであった事と 魔族の気配を完全に消す術を 与えられていた為。 “拾った”と言う魔族の応えを クロアは鵜呑みにせず 一つの情報として捉え、 「では…“失踪者”達は何処だ?」 最も重要な事として クロアが問い掛けた時、 魔族が愉悦に満ちた 笑みを浮かべ、 「ここに居るよ。」 勝機を得た声と共に 薄暗い室内の壁一面に 幾つもの魔眼が拡がった。  
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