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「この…ッ!!」
「フィリル、“聖司官”として命じる。神殿に退避後は前聖司官を呼び、中央と共に神殿を厳戒体制に置き、神官長らと共に行動しろ。」
魔族と睨み合うフィリルに
淡々と告げる言葉。
「…但し、お前は詳細を“何も知らない。”良いな。」
「はい。」
この場で起きた事を黙秘させ、
己の責にフィリルを
捲き込まない為の一言。
フィリルも迷わず
それを受け入れる。
自身の為ではなく
仕えたいと思った主の志の為。
フィリルの応えに
ロアは僅かな微笑みを浮かべ
そして――
「ならば、ここに宣言する。現聖主が第一子、神族、ロア・S・セインの名に於て魔族の進現を此処に認め、聖主の御元、聖界に戒厳令を敷く。」
静かに朗々と
“神族”としての命を下した。
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