†白†

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  「あたしは捨て駒じゃないッ!!」 ロアの言葉に憤った魔族の叫び。 「捨て駒だ。」 「違うッ!!」 冷やかに事実を告げるロアを 憤怒に満ちた眼差しが見据え 結界の障壁を叩く。 「無駄だ。私は力は使えなくとも、物の宿す力を利用する術は持っている。」 「このッ!!」 魔族の短剣が突き立てられても びくともしないロアの結界。 「お前は私の力の呼び名も、力の性質も、それを護る者の事も知っていたが、苗木である者が自身を護る術を持つ事は知らなかった。」 「黙れッ!!」 斬りかかる魔族の長い爪を弾き 結界はいくら衝撃を受けても 綻びさえせず強靭な力で ロアを守り続ける。  
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