†白†

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  亜種の数はようやく3分の1。 ロアが魔族の意識を引き付け 相手をしているおかげで なんとか亜種だけに 集中しているクロアだが、 一人で相手をするには 多過ぎる数に息が上がり始め 幾つかの傷も負っていた。 無意識に握り締めたロアの掌に 爪が食い込み微かに血が滲む。 だが、 そんな痛みすら気付かない程の 焦燥がロアの胸には拡がり 理解できない感情が 心の中にあった。 信じていない訳ではないのに クロアが傷を負う度に ひどく心が落ち着かなくなる。  
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