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何故なのかは分からない。
ただ、
クロアの傷の数が増える度に
叫びたくなる衝動が走った。
――やめろ――
と、
ロアの意志に従い
亜種と戦い続けるクロアにか
クロアにキバを剥く
亜種に対してか
それ等を実行させている
自分自身に対してなのか
向ける先が分からない
心の中の声。
複数の亜種の爪がクロアを襲い
避けきれなかった一閃が
クロアの腕を切り裂く。
「……ッ………。」
再び、目の前でクロアが傷付き
口をついて出そうになる
言葉を呑み込み
ロアは唇を噛み締めた。
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