†白†

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  その筈なのに 今、理解できない感情と 訳の分からない衝動が ロアの心の中を激しく揺さぶる。 「…………ッ…馬鹿者…。」 無意識に零れた呟きは クロアとロア自身の どちらに向けてなのか…。 亜種の数があと僅かになった中 零れたロアの呟きの直後、 「……………ろ…す。」 すぐ傍から聴こえた囁き。 同時にこれまでにない 殺気を感じてロアは 声の主である魔族を見た。 「…………。」 絶望から狂気に満ちた 禍々しい瞳。 「あんたは絶対に許さない…。」 怒りから怨嗟に変わった声。 「お門違いだ。」 「黙れッ!!」 利用した魔王ではなく 利用された現実を突き付けた ロアに向けられる魔族の怒り。  
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