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クロアが息を詰める。
「ッ………。」
「おま……ッ……!!」
傷つくクロアの表情に
何かを伝えようとして
動悸が走り
ロアは己の異変に気付く。
「ッ……クロア…ッ!!」
最後の気力を振り絞り告げる。
「使え…おまえが…“植樹者”だ…ッ!!」
「ロアッ!!」
何をと言う間すらなかった。
告げた瞬間にはロアの瞳から
意志の光が消え、
虚ろな人形のように
全身の力が抜け、
クロアは告げられた言葉と
その変化で全てを察し
魔族の体ごとロアを抱き締め
空間を翔んだ。
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