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神殿の本殿と内殿を繋ぐ間に
広がる庭園。
美しい花々が咲き誇り、
緑の木々が木陰を落とす中、
一本の樹に凭れる少年。
まだ、どこかあどけなさを宿す
可憐な美貌の少年は一人、
月の光のような白月の瞳で
高く澄みきった空を見上げ
癖一つない、
長く美しい銀月の髪を揺らし、
小首を傾げ、ぽつりと一言、
「迷った…?」
何一つ、
困った様子もなく
そう呟いていた。
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