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だから、
哀しさはあっても
寂しさはまったくなかった。
先の未来を少年なりに考え、
外の世界を
自分が直接、知ることは
殆ど出来ないと理解しても
まったく平気だった。
しかし、
今日、この日、初めて
少年は父に外の世界へ
連れ出してもらえた。
朝、起きていつも通り
父に挨拶に向かうと
余り見慣れない
外の世界の服を渡して
戸惑う自分に優しく、
“着替えて来い、外に行くぞ。”
と、言ってくれた。
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