†レン月華†

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  だから、 哀しさはあっても 寂しさはまったくなかった。 先の未来を少年なりに考え、 外の世界を 自分が直接、知ることは 殆ど出来ないと理解しても まったく平気だった。 しかし、 今日、この日、初めて 少年は父に外の世界へ 連れ出してもらえた。 朝、起きていつも通り 父に挨拶に向かうと 余り見慣れない 外の世界の服を渡して 戸惑う自分に優しく、 “着替えて来い、外に行くぞ。” と、言ってくれた。  
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