†レン月華†

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  クロアが その少年を眼にしたのは 本当に偶然だった。 神殿内を 子供が逃げ回って居ると 聞いてもにわかに信じられず 緊急性も感じない事から 取り敢えず 事態を把握するだけに留まり、 帰ろうとしていた。 そんなクロアの視界に 不意に銀の煌めきが入った。 同時に聞こえる木々の揺れと 下草の擦れる微かな音。 思わず脚を止めてしまい 視線を向けた先に 銀に近い月色の光が そこにあった。  
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