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クロアが
その少年を眼にしたのは
本当に偶然だった。
神殿内を
子供が逃げ回って居ると
聞いてもにわかに信じられず
緊急性も感じない事から
取り敢えず
事態を把握するだけに留まり、
帰ろうとしていた。
そんなクロアの視界に
不意に銀の煌めきが入った。
同時に聞こえる木々の揺れと
下草の擦れる微かな音。
思わず脚を止めてしまい
視線を向けた先に
銀に近い月色の光が
そこにあった。
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