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一体、何者であるのかと
考えた瞬間、
ハッと思い当たってしまった。
“次期様は珍しい銀月の髪と月色の瞳をされて居られるそうだ。”
少し前に兄から聞いた言葉が
頭をよぎる。
“お前も側近候補に名乗り出ないか?”
そう、兄に促された時に
語られた話。
『………ならば…あの方が…。』
その正体を思い浮かべた時、
「あッ…!」
少年が身を翻し、
クロアの立つ場所とは
逆の方に駆け出してしまい、
同時にクロアの後方から
複数の足音が近付く。
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