†レン月華†

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  『聖域から出られないと聞いていたが……。』 少年の正体に まったく気付かずにいる神兵達。 それもその筈、 クロアですら兄の話がなければ 気付けなかった。 『……もしも、そうであるなら…。』 まだ、一度も表舞台だけでなく 名前すら限られた一部の者しか 知らない少年。 神兵達の気配を クロアよりも先に察し 駆け出して行った一瞬、 どこか楽しそうな 無邪気な微笑みが浮かび きっと、あの少年に取って これはとても 大切な事ではないのかと思い 庇ってしまった。  
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