諦め

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時が止まり、金ジョースターは逃げた。「ここは…どこだ?」チャッピーは、目を覚ました。そこは、病院だった。チャッピーは、時計を見た。時計は、4:30を指していた。 「急がなくては!!」チャッピーは急いで病院から出た。その足でチャッピーはキングキムソンの待つキングキャッスルへ行った。三十分全力疾走しっそうさたころ、流石に疲労し、午後のしゃく熱の太陽がまともにかっと照ってきて、チャッピーは、いくどとなく、目まいを感じ、これでは、やばいと気を取り直しては、よろよろ三、四歩、歩いて、ついに、がくりと膝を折った。全然立ち上がる事が出来ない。天を仰いで悔しく泣き出した。あ、あ、あ、せっかく警官に助けてもらったのにここまで突破して来たチャッピーよ。真の勇者チャッピーよ。今ここで疲れきって動けなくなるとは、情けない。愛する友は、お前を信じたばかりに殴り殺されなければならない。お前は、キングの思うつぼだぞと自分をしっかてみるのだが、全身へなへなになって、もはや芋虫程にも前進かなわない。日陰の路上にごろりと寝っころがった。身体疲労すれば、精神もともにやられる。もう、どうでもいいという、勇者に不似合いなふてくされた根性が心の隅に巣を作った。俺は、これほど頑張ったのだ。約束を破る心は、みじんもなかった訳ではなかったがそんなのは、ミクロ単位ぐらいだったはずだ。動けなくなるまで走った。俺は、不信の徒じゃない。ああ、できることなら俺の胸を断ち割って、真紅の心臓を見せてやりたい。愛と血液と少しの邪悪で動いている。この心臓を見せてやりたい。けれども俺は、この大事な時に精も根も尽きた。俺は、よくよく不幸な男だ。俺は、きっと笑われる。俺の一家も笑われる。俺は、友を欺いた。途中で倒れるのは、最初から何もしないのと同じだ。ああ、もう、どうでもいい。これが、俺の定まった運命なのかもしれない。健ちゃんよ許してくれ。君は、いつでも俺を信じた。俺も君を裏切らなかった。俺達は本当に良い友と友であった。一度だってウソをちいた事は、なかった。今だって、君は、俺を無心に待っているだろう。ああ待っているだろう。ありがとう、健ちゃんよくぞ俺を信じてくれた。それを思えば、たまらない。友と友の間の真実は、この世で一番誇るべき宝なのだからな。健ちゃん、俺は、走ったのだ。君を欺くつもりは、みじんもなかった。ああこの上俺にもう何も言うな。
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