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横山先輩との不思議な出会いから数週間。
『お前が俺を信じてくれるまで、毎日五時半に会いに来るから。』
その言葉の通り、毎日その時間になると横山先輩は図書室にやって来て、一時間ほどするとフラフラっと帰って行く、その繰り返しだった。
最初の一、二週間は僕の人見知りな性格のせいで、横山先輩が一方的に話して時間が過ぎていった。
それでも横山先輩は嫌な顔一つせず毎日顔を出して、毎日違う話を聞かせてくれた。
クラスのこと、友達のこと、家族のこと、好きなゲームのこと…。
そして僕は知った。
横山先輩は、とってもええ人。見た目こそ、不良のような出で立ちやけど心は繊細で温かくて、優しくて。誰よりも他人を気遣える人なんや。
そして、今日もいつものように図書室で放課後を過ごす。
「…もうすぐ、やな。」
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