NーS2

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自分の中で湧き上がろうとしている気持ちを何とか鎮めるため、頭の上の横山先輩の手から逃れようとしたとき、身体がふわりと浮く感覚がした。 (何、これ…。) 状況を理解しようと顔を上げると、目の前に横山先輩の綺麗な顔。…抱きしめられてる、らしい。 「錦戸。」 「…はい?」 「もう、ええ加減答えくれや。俺は、本気やねん。」 「……。」 (本気、って…でも…。) 「…錦戸、目瞑れ。」 「何でですか…?」 「ええから。はよ。」 少し不服やったけど、言われるがままに目を閉じた。 .
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