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自分の中で湧き上がろうとしている気持ちを何とか鎮めるため、頭の上の横山先輩の手から逃れようとしたとき、身体がふわりと浮く感覚がした。
(何、これ…。)
状況を理解しようと顔を上げると、目の前に横山先輩の綺麗な顔。…抱きしめられてる、らしい。
「錦戸。」
「…はい?」
「もう、ええ加減答えくれや。俺は、本気やねん。」
「……。」
(本気、って…でも…。)
「…錦戸、目瞑れ。」
「何でですか…?」
「ええから。はよ。」
少し不服やったけど、言われるがままに目を閉じた。
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