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…やっぱり心配だ。これは聞くべき、だろう。
「リョウちゃん、今日は甘えんぼやけど…どないしたん?何かあった?」
俺の言葉にリョウちゃんは俯いてしまった。でも、無理に聞き出したら余計なプレッシャーをかけてしまうから。そう思って、暫く続く沈黙。
それからリョウちゃんがぽつりぽつりと話し出した。
「章ちゃんが、な?」
「…ヤス?」
ヤスは俺の部下。まぁ、実際副社長みたいな感じだ。有能な彼は職場では良きパートナーだ。
俺とリョウちゃんが付き合い始めてから少しして、俺からリョウちゃんの話をさんざん聞かされていたヤスは家に遊びに来た。
人当たりの良いヤスは、リョウちゃんと音楽の趣味が合ったようですぐに仲良くなって、連絡を取り合っているらしい。
「章ちゃんが、たっちょんは可愛い子が好きって言うてたから…」
…この子は何て可愛いんだろう。俺が可愛い子が好きだから、自分も甘えて可愛さアピール…健気だな。
「俺は、可愛い子好きやけど、リョウちゃんは素のままでも十分可愛いで?」
「ほんまに…?…で、でも、章ちゃんが…」
「リョウちゃんは、俺よりヤスの言葉を信じるん?」
「んぅ…そうやなくて…。」
「それに…」
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