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この国の経済の根幹を支えるもうひとつの要素、それが『奴婢』、つまり奴隷です。
彼らは人間でありながら人間ではなく、家畜や道具と同じ扱い。仕事を選ぶことも、家庭を持つことも、住まう場所を自分で決めることも許されず生き死にすらも持ち主の自由です。
奴婢の身分は一生続き、死ぬまで家畜以下の扱いを受け続けます。古代ローマの奴隷のようにチャンスがあれば自由になるなどと言うことはありません。
ただし、主人がその奴婢の才覚や美貌を気に入り普通の民と同じ扱いをすることはありますが、きわめてレアなケースと言えるでしょう。
さて、奴婢の身分はその子にも引き継がれるのかと言う点ですが、それはまずありえません。
大体奴婢が子を成す事は許されないからです。
もし、何かの間違いで子が出来たのなら、その子が産まれる前に母親ごと『処分』されるのがオチでしょうし、もし産まれても捨てられます。
奴婢の供給源はさまざまです。
一番多いのは戦争によって獲得した捕虜です。武将や支配階層の子弟、技術者など以外の付加価値のないものは、奴婢として払い下げられます。
また、犯罪や反逆に対する処罰として奴婢に身分を落とされることもあります。あと、借金のカタとして身柄を担保にした場合も奴婢として売り飛ばされます。
その他、『奴婢狩り』と呼ばれる人間狩を専門職とする集団に誘拐され売られるケースも多々あります。その際は飢饉や災害で村を捨てた流民がよく狙われます。
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