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奴婢は各国の国司から鑑札(認可)を受けた奴婢商人が主に取り扱います。
戦争の捕虜や罪人の払い下げなど、国が奴婢の公開落札を掛ける時に参集し、払い下げを受け、奴婢ノ市で売りさばきます。
また、商人は専属の『奴婢狩り』を雇っている場合が多く、彼らに命じて顧客の注文に応じた奴婢を入手する場合もあります。
持ち主同士の交換、つまりトレードも頻繁に行われている様です。
奴婢の仕事は多岐に渡ります。
河川の改修や新田の開拓、道路整備などの重土木工事。耕作、牧畜、伐採、漁労などの農林水産業務、鉱山での採掘、戦争での人間の盾、疫病での死体の始末。下級罪人の処刑の執行、後始末、ゴミや糞尿の処理など、ともかく危険できつく汚く人の嫌がる仕事は何でも押し付けられます。
無論、女性(あるいは男性でも)の奴婢には『性欲の処理』と言う仕事も用意されています。
奴婢の末路は、よほど幸運な者を除いて悲惨です。
怪我や病気をしてもまず治療してもらうことはありません。
買うほうが安いからです。
今の時代、電化製品でも故障しても修理に出さず買い換える。それとまったく同じ感覚です。
死んだり、傷病で要らなくなった奴婢は、奴婢仲間に命じて路上に打ち捨てるか、穴を掘って埋める。川や海に流すなどの『処理』がされます。
反逆した奴婢はまず殺されます。
当然、だれも咎めませんし、罪にも問われません。
言うことを聞かなくなった奴婢はゴミ以下。
激しい拷問の上殺されるのが落ちなので、逃亡の場合も同様に悲惨な死が待っています。
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