弱虫な 君へ

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岩沢Side― まだ辺りが暗いうちに目が覚めた。 隣を見れば 眠っている悠仁。 「愛してる… 悠仁。 ごめんな?」 自分が癌だと知らされたのは 一週間前。 真っ先に考えたのは 悠仁のことだった。 寂しがりやで 人の痛みがよく分かる悠仁は 俺が癌で弱っていくのを 多分俺よりも重く受けとめる。 だから… だから、俺のやるべきことは 悠仁と別れることだけだった。 恋人だった人の 柔らかな髪をなでて 唇に最後のキスをした。 すっかり痩せてしまった身体に 服を着て マンションをでて君のいない町を歩きだした。
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