贈る詩

2/4
前へ
/164ページ
次へ
ヒソヒソ… こんにちは 岩沢厚治です。 突然ですが 今日は 俺の誕生日。 自分の誕生日なんて忘れるはずないのに うちのスタッフはどうやら サプライズを仕組んでる様子… 「厚ちゃぁん! 誕生日おめでとっ これ、プレゼントのカレー 一年分! 美味しいよ!?」 いや、北川さん… 恋人からのプレゼントが カレーって…。 ちょっと悲しくないですか…? 「あ、ありがとう…」 ほら、スタッフも異様な目で 見てるし… 「岩沢さん、 ちょっとレコーディングの 準備があるんで 一回でてもらっていいですか?」 お… そろそろサプライズかな…? しかし、 いつも通りわかりやすいな~。 「分かった。」 外でとりあえず タバコを吸って待つ事にした。 …しばらくたって 携帯が鳴り 見ると、準備ができたとの事。 「さて、行きますか…」 ドアの前で それなりの 心の準備をしてから 気付かないふりをしながら さりげなく ドアを開けると……… 「あれ… 誰もいない…」 意外な事に スタジオはからっぽ… 「皆どこ行ったんだ?」 ひょうしぬけした 俺は 仕方なくギターを手にとる。
/164ページ

最初のコメントを投稿しよう!

170人が本棚に入れています
本棚に追加