雪華

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「さむ…」 ついこの間まで 汗流してたのに 気がつけば もう冬。 震えるほど寒い外から 危うく乗り遅れそうになった電車に乗りこんだ。 席は空いてなくて 仕方なく吊り革につかまる。 「岩沢?」 後ろから声がして 振り返ると、 「あ、北川…」 そこには 中学までは一緒だった北川。 なんか… 「痩せた?」 ふっくらしていたはずの 北川の身体は 男らしい絞まった身体に変わっている。 「あ、分かった? 俺 バスケ始めたんだ。」 痩せたけど くしゃっと笑う顔は ちっとも変わってなくて 胸の辺りが なんだか暖かい… 「へぇ… バスケ、楽しい?」 「楽しいよ! シュートが決まった時なんかもう 最高でさっ」 そのまま お互いの学校のことを話してたら いつの間にか俺の家の前。 あれ、 でも北川の家は… 「ねぇ、 北川の家もう通りすぎたよね?」 そう言うと北川は、 「あ… 岩沢としゃべるの楽しかったから 自分の家忘れちゃってた!」 「ぶっ… なんだよそれ。」 普通忘れないだろ。
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