牧場の馬

2/2
前へ
/13ページ
次へ
戦後、語られる事のなかった、歴史の箱を今宵明けてみようかと思う。 1941年の夏、ある牧場で、一人の農夫がせわしなく働いていた、男の仕事は競争馬の飼育、朝から晩まで馬の世話に追われ、一服する間も無い程であった、生き物相手の商売は、本当に大変なものである。 農夫は溜め息をつきながら言った、これなら野菜相手に畑作ってた方がまだマシだよ。 馬は夜いきなり、具合が悪くなったり、機嫌を損ねると、馬舎の掃除すらしずらくなるし、頭なんかひっぱたいたのが馬主にばれたり、怪我でもされた日には大変な事になる。 農夫は、この牧場に来て、まだ日が浅かったが、ある日馬を放牧する事になり、何頭かの馬を連れだし、牧場近くの草原に来ていた。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加