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「貧乏人が泣いてる~」
「キモい」
「泥棒」
泣いて、もっと悪口が酷くなる。先生は「疑われて当然だ」とでも言いそうな目で私を見るだけだった。
ただ、助けてくれる人が一人だけいた。
愛弓だった。
「あんた達、この子がしたの見たの?見てないくせに疑うな!!」
持ち前の大きな声で怒鳴ったのだ。それでクラスの皆はひるみ、私に対するいじめもなくなった。
嬉しくてただ感謝した。
でも次の日から愛弓がいじめのターゲットになった。かばったせいで愛弓がターゲットになり申し訳なかった。
それでも愛弓は笑顔で
「暇なんだよ。その内飽きるって」
「私は大丈夫だから♪」
と、謝る私に言っていた。
でもいじめは段々激しくなり、長く続いた。飽きない奴らだ。
その内、愛弓から笑顔は無くなり、段々学校も来なくなった。
私は明日にでも家に行ってみようと思った。
それなのに……さっき電話で愛弓が死んだと、愛弓のお母さんから連絡があった。
信じられなかったが、愛弓はいじめを苦に、遺書を残して首吊り自殺をしていたらしい。
遺書には…………
もう耐えられません。
お母さん、お父さんごめんね。
あと、唯(私の名前)。勝手にこんな事してごめんね。怒ってくれてるでしょう?
私の事、忘れないで下さい。
とだけ書いてあった。
愛弓………何で?
何で私なんかに書いてんのよ、私のせいで酷いめにあったのに…
親に書きなよ……
その前に何で死ぬの?
明日会いにいこうとしてたのに………
いじめをしたあいつらを憎んだ。すべてはいじめが悪いんだ!!
あれから10年もたった。
私はこれ以上愛弓みたいな子が増えないように教師という立場でいじめを無くそうと、教師になった。
いじめは絶対にいけない。いじめを無くさないといけない。
愛弓の事一生忘れないよ。
大切な事教えてくれてありがとう。
本当は財布盗んだのは私だけどね。
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