第一章 迷遭

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博麗神社の裏の林 ここは、外の世界と幻想郷との境目。 「まったく…ひどい目にあった。」 「壊れたのがこれだけでよかったじゃない。」 ミズナラの木の中で、妖精が会話している。 「そもそもなんで私の部屋だけ窓がダメになってスターもルナも大丈夫なのよ!」 「サニーの日頃の行いが悪いからじゃない?」 サニーミルク、ルナチャイルド、スターサファイアは、このミズナラの木を夏用の別荘にしている。 この野分で、サニーの部屋の窓が割れた。ついでに部屋は荒れ放題。木自体は、枝が数ヶ所折れる程度だった。 「よく耐えたわね。この木も。」 スターが呟く。 「しかし周りはひどいよ。」 「周りより私の部屋ー。」 確かに辺りの荒れようは酷かった。 かなりの数の木が折れていた。 「嫌な予感がするんだけど。」 ルナがなんとなく言う。 「何か来るわよ。たぶん霊夢と魔理沙さんね。」 スターが答えた。 「とうとう居場所ばれた?」 サニーが心配そうに尋ねる。 「あら。そうでもないわよ」 背後から三人とは別の声がした。 「うわっ!紫さん!」 隙間妖怪、八雲紫である。 三人にこのミズナラの木に住むことを許可した本人であり、幻想郷でもかなりの年長者だ。 「霊夢たちは、単に林の荒れようを見に来ただけよ。」 「よかった~。」 三人はほっとした。 「でも、」 さらに紫は続ける。 「間違いなく、異変が起こっているわ。」
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