1人が本棚に入れています
本棚に追加
博麗神社の裏の林
ここは、外の世界と幻想郷との境目。
「まったく…ひどい目にあった。」
「壊れたのがこれだけでよかったじゃない。」
ミズナラの木の中で、妖精が会話している。
「そもそもなんで私の部屋だけ窓がダメになってスターもルナも大丈夫なのよ!」
「サニーの日頃の行いが悪いからじゃない?」
サニーミルク、ルナチャイルド、スターサファイアは、このミズナラの木を夏用の別荘にしている。
この野分で、サニーの部屋の窓が割れた。ついでに部屋は荒れ放題。木自体は、枝が数ヶ所折れる程度だった。
「よく耐えたわね。この木も。」
スターが呟く。
「しかし周りはひどいよ。」
「周りより私の部屋ー。」
確かに辺りの荒れようは酷かった。
かなりの数の木が折れていた。
「嫌な予感がするんだけど。」
ルナがなんとなく言う。
「何か来るわよ。たぶん霊夢と魔理沙さんね。」
スターが答えた。
「とうとう居場所ばれた?」
サニーが心配そうに尋ねる。
「あら。そうでもないわよ」
背後から三人とは別の声がした。
「うわっ!紫さん!」
隙間妖怪、八雲紫である。
三人にこのミズナラの木に住むことを許可した本人であり、幻想郷でもかなりの年長者だ。
「霊夢たちは、単に林の荒れようを見に来ただけよ。」
「よかった~。」
三人はほっとした。
「でも、」
さらに紫は続ける。
「間違いなく、異変が起こっているわ。」
最初のコメントを投稿しよう!