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「シンジ・・・ワイもそっちへ行くで」
「何を言ってるんだ、トウジ!!」
突然の声に司令はかすかに瞼を開けた。
指先に残る感覚は人間の温もりに触れているように感じた。
それは人間の皮膚であった。
「トウジ!!僕だ、解るか!?」
「シンジ・・・お前、まだ三途の川の前に居るんか?ちょうどええな~わしと一緒に行こうか・・・それだったら寂しくないやろ」
「何言ってんだ!!僕は戻ってきたんだよ」
まだ意識がある事にシンジは安心した。
人が死ぬ前に送ると言われるテレパシーが観測者となり、蘇ったシンジの体に受信されたのだ。
地球に行くはずだったシンジはかつての友の危機を感じ、発信元の月に行かない訳がなかった・・・
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