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もう一度、同じ話をしようと思う。男子のイジメは、女子のソレより恐ろしいという話を。
男子のイジメはまるで漫画でみるような焼き印のよう。一度奴隷になってしまったら、もはや身分からは解放されない。レッテルのほうが剥がせるだけ幾分かマシだ。
そういうわけで、五月に入った今も、俺はまだイジメられたままだった。弁当箱は隠され、ノートは破かれる。この間なんて、ロッカーに真っ黒いバナナが入っていた。なんの意味があるのかは、全然分からない。
しかし、変わったこともある。イジメられるようになって、俺は図書室に行くようになった。一人になるのに図書室ほど有用な場所はない。なんせ一人でいることが普通になるのだし、たとえ誰かが入って来てからかおうにも騒げない。まるで天然のセキュリティシステムだった。俺は休み時間のすべてを図書室に捧げた。ほとんど愛しい恋人のようなもの。
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