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俺は独りでも大丈夫だと思う。思ってすぐに、和田が言った。
「自分は大丈夫とか思っただろ。大丈夫じゃないんだなぁこれが。弱い奴はいつも強がる。強がって、強がって、だんだん嫌な方に、駄目な方に進んでいく。傷の舐め合いになれたら、一生似たような人生だ。お前が例え適当に生きてきたとしても、やらなきゃならないときが今だ」
少し怒っているともとれるような大声は、河川敷に吹く風にかき消され、それでも強く耳に届いた。
「知るかよ」
しかし俺は俯きながらも、それを無視したんだ。和田は溜め息をついた後に少し笑って、立ち上がった。
「邪魔したかな。君の人生だ。好きにするといいよ」
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