内側、外側。

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  その日の一時間目の授業は、「サイアクの体育」だった。体罰が生き甲斐な先生ではないし、教科書通りで授業がつまらないわけでもない。ただ、阿久悠が大好きな斉藤先生なんだ。斉阿久、ね。しかし、今日は違った。単純に、最悪だった。 内容はサッカー。それ自体は得に問題もなく終えた。サッカーは嫌いじゃないし、チーム(とはいってもいじめっ子か、またはその傍観者しかいないチームだけれど。なんせクラスの男子は全員がそのどちらかだ)にもかなり貢献出来たと思う。ことが起こったのは、体操着を鞄にしまおうとして、探していた時だった。 体操着がないのは、実は知っていた。持って行くところもみていた。なにをされるかは知らないが、なにをされても大きく構えていようと思っていた。その「サイアク」が教室に響くまでは。
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