†新学期†

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灯台の下はいつもはどんよりとしていて暗い。真夜中になるとそれが一層増すのだ。 けれど今日は違う。 今日はひとがいっぱい集まって賑やか。 それは、明日から新学期だからだ。 何の新学期なのか、疑問に思うだろうが。周りを見ればわかるかもしれない。 まず、こんなに賑やかなのに人が起きる気配はない。なぜか。 ここにいるひと。 つまり、賑やかにして新学期を待っている者たちは違う空間にいるからだ。この賑やかさは決して外側に漏れることはない。 外側の夜の静寂を壊すことは決してないのだ。 そして、灯台の下から出る船に次々と乗り込んでいく者たち。 彼らは普通の人間ではない。 魔術を学ぶ者。 そう。 魔法使い── 『魔法学校フローディア』に向かう者たちである。 「出航ーーー!」 船主の合図で船は一斉に走りだす。 異空間の海を越えて、学校を目指すのだ──
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