1人が本棚に入れています
本棚に追加
「うーん………」
スーツケースをひきながらカレンだけが校舎内を歩き回っていた。
同じところを何回も歩いているようにしか見えないとカレン自身気付いているが、カレンは相当な方向音痴なのである。
「えーと…寮はユニコーン。ユニコーン……どこかしら」
すると、後ろから声が聞こえてきた。
「やぁ!こんなかわいい女の子がいたのかい」
その声にカレンはそちらへ振り向く。
「どうしたの?迷ってるのかい?」
長く伸ばしたサラサラな金髪に、整った顔立ちの少年がにこにこ話し掛けていた。
カレンより年上の上級生であろうか。
「はい。今日転校してきたばかりで、寮に行けなくて…
まだ校長先生にご挨拶もできていないんです…」
カレンはそう答えた。
「そっかそっか~。なら僕が案内してあげるよ。
寮はどこ?」
「ありがとうございます。寮はユニコーンです。」
「ユニコーン?!なら、僕と一緒だよぉ!
なんか運命感じない?」
少年はいきなりカレンに近づき、目を見つめた。
最初のコメントを投稿しよう!