紙とペンを愛していた男

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      静かな 静かな 竹林の中に、たった一軒の和風住宅がぽつりと在る。 縁側の窓は全開にされていて。 そこから見える部屋の中には、20代後半から30代前半くらいの男がたった一人で居る。 その男の名前は 小田桐 浩一(オダギリコウイチ) 世間では知らない人の方が少ないくらい有名な人気小説家だ。 出版社、ジャンル問わず依頼があれば、その要求に合わせた小説を執筆し原稿をあげる。 執筆始めてから入稿するまでの時間が他の作家よりも遙かに短く、出版された本の殆どがベストセラーとなっている為、各出版社から一目おかれている男だ。       
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