紙とペンを愛していた男

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たった今書き終えた原稿をトントンと整えると、それを茶封筒に入れてテーブルの上に置いた。 この原稿を受け取りに来る担当の小野さんとは15時の約束。 少し小腹の空いた浩一は、小野さんが来るまでの間に何か食べようと立ち上がった。 浩一は台所に向かい何か食材がないか探すが、ここ最近原稿を仕上げるのに夢中で買い物へ行ってなかったこの家に食材らしい食材は無く、戸棚の中からは数個のカップめんがあるだけだった。 それでも良いと、浩一はカップめんを一つ取り出し蓋を開けて電気ポットからお湯を注いだ。      
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