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「……嘘だろ……?」
呟いた。
これは事故なのか、もしくはテロ攻撃なのか、それとも──
「にゅん!」
蓮の思考は、相変わらず引っ張り続ける“生き物”に遮られた。半分諦め、仕方なく引っ張られる方向についていく。
破壊された公園の奥へと進み、茂みの中に入ると“生き物”は急に動きを止めた。
「……?」
耳をすますと金属が響き合う音が聞こえてくる。それは前方からだった。目をやると、茂みの間から人らしき姿が見えた。
“生き物”はそこを指差すようにして首を振る。
「にゅん~」
「まさか……俺にあそこに行けって言うのか、お前は?」
「にゅん!!」
“生き物”は元気に頷いた。
「…………くそっ……もういいよ、どうにでもなれ!」
──これは夢なのだから。
そう信じて、蓮は走った。それを見た“生き物”は嬉しそうにして後を追う。
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