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小鳥の話しを聞くのもつかの間、遠くから三人の子供がやって来る。
子供達は、おもちゃと遊ぶかのように笑いながら近づいてきた。
子供達は、どこかの貴族の息子で入院理由はわからないが、この病院の一般病棟に入居している。
少女は重患病棟で、特に知り合いというわけでもない。ただ、この病院の子供達は誰一人として逆らえないでいる。
逆らえば、痛い仕打ちや親に影響するからだ。それにこの世界では、貴族に逆らえば必ず嫌な思いをする。
だから誰も目の前で困っている人がいても助けない、関わらないが普通なのだ。
だが少女には、それがわからなかった。誰かが困っているのなら助けたいと思うし、色々な話しを聞いてみたいと思う。
何で平民と貴族は違う種族みたいな扱いなのかがわからない。
元を辿れば、同じ「人」なのに。
段々と近づいて来る貴族の子供達を見て、小鳥に外に行くように促す。
[……危ない、早く外に。]
[うん。]
少女の膝の上から飛び立ち、窓の外の広い大空に羽ばたいて行った。
「なんだよ、また小鳥と話してたのか?気持ち悪い奴だな。」
車椅子を動かして右に向けると三人の子供が目の前に立っていた。
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