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広い敷地に多くの人が住まい、多くの方が往診に来る。
建物の色は白で統一されていて、装飾等も施されていない。いたってシンプルな作りだ。
此処、ユグドラシルで随一と言われている病院には、多くの患者・障害者が住まっていた。
そんな病院内で車椅子で移動する少女がいた。少女は、無表情で車椅子のタイヤに付いている手摺りを上手く利用して移動していた。
「………」
無心のように移動して窓辺に着き、外を眺めていた。外は天気が良く、雲一つない快晴だった。
窓を開けると外から来る風が顔に当たり、髪を優しく靡かせてくれる。気持ちの良い風のはずが少女は表情一つ変えずに青い空を眺めていた。
「………」
目を閉じて、深呼吸をする。全身で風を感じているように見えた。
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