もう一度、会うために…

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「最近のリハビリに力を入れているのはわかるよ。だから、教えてあげたいけど。人を治す僕たち医師には、人を殺す魔法は教えられない。ごめんね。」 「………」 苦笑する院長に、首を左右に振り少女は院長を見つめる。 少女の中では半分以上分かっていたこと、だから違うことを変わりに聞く。 「……リビエラ学園は、此処から遠いんですか?」 「また、篠嵜君の事だね?」 少女を治し、少女が追っている人物。その人に会って言いたい事があるから、何度も聞いている。 「何度も言うけど、教えられないんだ。君は篠嵜君に会いたいんだよね。」 「……はい。」 少女は力強く返事をし、院長は椅子を回し外の風景を見つめる。 「患者を無断で外に外出させることはできない。だから篠嵜君を呼んで「失礼しました。」 院長の話しを最後まで聞かずに、院長室を後にした。 一人になった院長は、複雑そうな表情をしながらため息を一つ着いた。 「前に比べて、感情が出て来たね。まだ子供っぽくないけど、いい子ではあるね。」 外の風景を見ながら、微笑んでいた。
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