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病院から出た少女は、広大な大空を見て驚いていた。
いつもは隔離されたような空間で限られた窓からしか外の風景を見ることが出来なかった。
空がこんなに無限に広がっているなんて知らなかった。それに建物も、こんなに大きな物があるのも知らないでいた。
何もかもが新鮮で何もかもが凄く綺麗に見えた。
病院から出たのも初めてたが世界がこれほど広いことも知らなかったからだ。
「………」
呆気に取られたようにただ呆然と周りを見ていた。
[来たよ。]
空を見ていると、いつも話している小鳥の念話が聞こえてきて、小鳥の姿を確認する。
[……案内、お願い。]
リュックの紐を掴み走る用意をして、少女は小鳥にぺこりと頭を下げた。
小鳥は少女の肩に止まると、翼を広げて手を振っているようにしていた。
[うん、結構遠いけど。昼前ぐらいには、着くと思うよ。まずは此処の道を真っ直ぐ行くよ。]
[……わかった。]
少女は頷き、小鳥が言うの行った方向に走り出した。
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