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外の風景を眺めていると、病院内で放送が入った。放送の内容は、昼ご飯の放送だった。
この病院では、放送が入ると食事時間という事らしい。今まで外で遊んでいた、子供達の声がピタリと止まった。
「さて、僕達も行こうか。お昼ご飯が待っているよ。」
「………」
少女は頷き、車椅子を動かそうとタイヤに手をかけようとしたら、院長に止められた。
「僕が連れてってあげるから、一緒に行こうか。」
「……はい。」
少女の反応に院長は微笑んで、少女が乗っている車椅子を押して食堂に移動した。
食堂では、すべてが自由に自分の好きな食材が撰べられる。これは院長の考えらしく、好きな物が食べられないと人はストレスや食事制限を窮屈に感じてしまう傾向があるため、患者により良い生活を送っていただくためにした対策だった。
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