黒髪の少女

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だからと言って、高カロリーの食材ばかりを食べる人もいる。そのために食べられる量は決まっている。それでも守らない人が多々いる。 今ではそれが普通である。要介護が必要な方は、看護婦が付くようになっている。少女もほとんど動かせない状態だが、手はかろうじて動く。そのため看護婦や院長さんには自分で出来ることはすると伝えている。 院長に車椅子を移動させてもらいながら、トレイと食器を手に取り、自分の膝の上に乗せる。 「今日は何を食べるんだい?いつも通りのメニューにするかい?」 院長が少女に話しかけると、少女は頷き場所を移動する。 少女がいつも食べている物は、白い米に玉子スープとサラダだけだった。 他にも肉や魚がある中で、その3点を選んでいる理由は誰も知らない。 少女は選んだ物を食器に盛りつけて、膝の上に乗っているトレイに乗せた。
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